社員がClaudeを勝手に使っていませんか?情報漏洩リスクと今すぐ整備すべき社内ルール【2026年版】
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結論(時間のない方向け)
✅ 個人の無料・Proプランで業務データを使うと、AIの学習データになる可能性がある
✅「社員が勝手に使っている」状態=Shadow AIは、今や5人以上の会社のほぼ全員に起きている
✅ 顧客名・売上・社内戦略を含むプロンプトが、管理外のサーバーに送られている
✅ 対策の第一歩は「使用禁止」ではなく「ルールの明文化と法人プランへの統一
✅ 社内ガイドライン1枚で、リスクの8割は防げる
この記事の対象読者
・5〜30名規模で、AIツールの社内利用ルールがまだ整備されていない経営者・代表者
・「社員がどのAIを使っているか把握できていない」と感じている総務・人事・情報システム担当者
・「使ってはいけない」と言いたいが、業務効率への影響を考えると踏み切れないIT部門責任者
「うちの社員、Claudeを使っているみたいだけど、セキュリティ的に大丈夫?」
こうした不安をお持ちの経営者・IT責任者の方が、2026年に入り急増しています。結論から言えば、使い方によっては大丈夫ではありません。
そしてその「使い方の問題」は、ほぼすべての中小企業で今この瞬間も起きています。
本記事では、社員のAI業務利用で実際に起きうる情報漏洩リスクの実態と、経営者・総務・IT担当者が今すぐ整備できる社内ルールの作り方を、具体的に解説します。
目次
「Shadow AI」問題——あなたの会社でも起きています

Shadow AIとは何か
Shadow AI(シャドーAI)とは、会社の公式な許可・管理なしに、社員が個人的にAIツールを業務に使用している状態を指します。
かつてのShadow ITと同じ構造です。
会社が正式な承認をしていない間に、現場は「便利だから」という理由で使い始めている。そして経営者が気づいたときには、すでに何ヶ月も機密情報がルール外の環境に渡っていた——というパターンです。
2026年現在、日本の中小企業における調査では、5人以上の会社の80%以上で、何らかのAIツールが社員の個人利用として業務に使われているという実態が報告されています。
どんなデータが流れているか
社員が「ちょっと使ってみよう」と入力しているプロンプトの中身を想像してみてください。
- 「○○株式会社の田中様への提案書を作って」
- 「今月の売上が前月比20%減だった。社長への報告文を書いて」
- 「採用面接でこんな回答があった。評価コメントを作って」
- 「競合のA社に対してうちの強みをまとめて」
顧客名、売上数字、採用情報、競合分析——
これらはすべて外部に出てはいけない機密情報です。
しかし社員はそれをAIへの入力として「貼り付けて」います。
プランによってリスクがまったく違う——知らないと危ない

Claudeの情報漏洩リスクを語る上で、最も重要なのが「どのプランで使っているか」です。ここを間違えると、対策の方向性が「まるごと」ずれてしまいます。
Claudeのプラン別・データ取り扱いの違い
以下にそれぞれのプラン(2026年5月末現在)を記載します。
| プラン | 月額(目安) | 会話データの学習利用 | 企業管理 |
| Free(無料) | 0円 | 設定次第でON | なし |
| Pro(個人) | 約3,000円 | 設定次第でON | なし |
| Teams | 約3,000円〜/人 | OFF(契約で保証) | 管理者機能あり |
| Enterprise | 要問合せ | OFF(契約で保証) | 高度な管理機能 |
Claudeの利用プランによる問題の核心
社員が個人でFreeまたはProプランを使っている場合、デフォルト設定によっては業務データがAnthropicのAIモデル改善のために使用される可能性があります。
社員が「Claudeの改善にご協力ください(フィードバックに使用しない)設定」をオフにしていれば問題ありませんが、多くの場合そこまで確認していません。
また設定の問題以前に、個人プランには企業向けのデータ処理に関する契約上の保証がありません。
法人として顧客データの安全管理義務を負っている以上、「個人プランで社員が使っていた」では説明がつかないリスクがあります。
「設定すれば安全」は本当か
「個人プランでも学習をオフにすれば大丈夫」という声もあります。しかしこれには2つの問題があります。
一つは「社員全員が正しく設定しているかを会社が確認できない」こと。
もう一つは、「設定がユーザー任せである以上、アップデートや再ログインで設定がリセットされるリスクがある」ことです。
管理できないリスクは、管理したことになりません。
情報漏洩が起きる5つの具体的パターン

◆パターン1◆ 顧客情報をそのままプロンプトに入れる
最も多いケースです。「○○様へのメールを作って」と、実名・社名を入力する行為は、その情報を外部サービスに送ることと同義です。
マスキング(仮名化)の習慣がない社員は、思考なしに固有名詞を貼り付けます。
◆パターン2◆ 社内機密資料をそのまま貼り付ける
「この議事録を要約して」「この企画書を改善して」と、社内文書をそのまま貼り付けるケースです。
売上数字、事業計画、人事情報——これらが管理外のサーバーに送られます。
ど真ん中の機密情報を、意外にみなさんポイポイ投げるんですよね。
◆パターン3◆ Agentmemoryなどの拡張ツール経由の漏洩
GitHubで4,000以上のStarを獲得した「Agentmemory」のように、会話内容を外部サーバーに送信する仕組みの拡張ツールを導入してしまうケースが増えています。
「便利そうだから入れた」で、APIキーや業務ログが漏洩します。
◆パターン4◆ 退職者のアカウント管理漏れ
退職した社員のClaudeアカウント(個人プラン)には、在職中の業務データが残っています!!
会社側には管理権限がなく、削除を依頼することも確認することもできません。
Teamsプラン以上であれば管理者がアカウントを無効化できますが、個人プランでは不可能です。
◆パターン5◆ 外部委託先・フリーランスの野良利用
社内だけでなく、外注先やフリーランスが業務でClaudeを使っているケースも見落とされがちです。
契約書にAI利用の規定がなければ、委託した業務データが委託先のAI利用を通じて外に出ていても気づけません。
「使用禁止」は解決策にならない理由

Shadow AI問題に直面した経営者の最初の反応は「じゃあ禁止にしよう」です。しかし、これは機能しません。
理由は3つあります。
① 禁止は守られない。
スマートフォンでClaude.aiにアクセスすれば、会社のPCでのブロックを回避できます。
「禁止したが使い続けていた」という状態が、むしろルール違反の証拠を積み上げるだけです。
② 禁止すると業務効率が落ちる。
すでにAIに慣れた社員の生産性は、禁止によって確実に低下します。優秀な社員ほど「なぜ禁止?」と感じ、離職リスクにもなります。
③禁止より管理の方がリスクが低い。
ルールなしで使われる状態より、「適切なプランで、適切なルールのもとで使う」状態の方が、情報漏洩リスクははるかに低くなります。
正しいアプローチは「禁止」ではなく「管理下に置くこと」です。
もっとも素早く効果的なアクションとしては、具体的に、Teamsプラン以上に統一して管理者機能を持ち、入力してよい情報・してはいけない情報を明文化し、社員に周知することです。
今週中にできる社内ルール整備の3ステップ

難しく考える必要はありません。
最初の1枚のルール文書が、リスクの8割を防ぎます。
ステップ1-現状把握(1〜2日)
まず社内でClaudeを使っている社員を把握します。
「使っている人?」と全員に聞くだけで構いません。
把握できたら、どのプランを使っているかを確認してください。
個人プランが混在している場合は、ステップ2に進みます。
ステップ2-法人プランへの統一(1週間)
会社としてTeamsプランを契約し、社員を招待します。
個人アカウントでの業務利用を原則禁止とし、会社支給のアカウントのみを使うよう周知します。
月額費用は社員1人あたり数千円ですが、情報漏洩インシデントの対応コストと比較すれば、圧倒的に安い保険です。
ステップ3―社内AIガイドライン1枚を作る(2〜3日)
以下の内容を1枚のドキュメントにまとめ、全社員に配布します。
【社内AI利用ガイドライン(Claude)】
■ 使用してよいアカウント
→ 会社支給のTeamsアカウントのみ
■ 入力してよい情報
→ 社内公開情報、一般的な文章作成・要約・翻訳
→ 顧客名・個人名を含まない業務文書の改善
■ 入力してはいけない情報
→ 顧客の個人情報(氏名・住所・連絡先)
→ 売上・財務情報
→ 採用・人事情報
→ 競合分析・社外秘の事業計画
→ 社外に出てはいけないと判断されるすべての情報
■ 外部ツール・拡張機能の追加
→ IT担当者の事前確認・承認を必須とする
■ 委託先・外注先への適用
→ 本ガイドラインを契約書の附則として添付する
これだけです。
完璧なガイドラインより、「存在する、実際使えるガイドライン」の方がはるかに価値があります。
アスリエに依頼できること

アスリエでは、AI活用を前提としたシステム開発と並行して、社内AIガイドライン策定の支援も行っています。
AI利用ルール・社内ガイドラインの策定支援
「入力してよい情報・してはいけない情報」の分類から、プラン選定の判断基準、委託先への適用条件まで、会社の規模・業種に合わせて一緒に作ります。
WordやGoogleドキュメントで運用できる実務的な1枚に仕上げます。
Claude/AIを活用したシステム開発のセキュリティ設計
DB暗号化・アクセス制御・テスト計画書へのSEC項目組み込みまで、設計段階からセキュリティを組み込む開発体制を提供します。
「AIで作ったから大丈夫」ではなく、品質基準を明文化した納品を行います。
現在のAI利用状況の診断・リスク棚卸し
「今うちの会社でどんなリスクがあるか」を最初に整理するところからお手伝いします。
「まだ何も決まっていない」段階でのご相談が最も効果的です。
よくある質問(FAQ)

A. 今すぐ「禁止」にする必要はありませんが、今週中に会社としての方針を決めることを推奨します。 まず社員に「どんな情報を入力しているか」を確認し、顧客情報・機密情報が含まれている場合は、即時マスキング対応と法人プランへの移行を進めてください。「使っていることを把握した上で何もしなかった」という状態が、法的には最もリスクが高くなります。リスク低減に直結します。
A. Teamsプランへの移行は最低限必要な第一歩ですが、それだけで完全に安全とは言えません。プランを変えても、社員が顧客の個人情報をそのまま入力する行動は変わりません。「入力してはいけない情報」を明文化したガイドラインの周知と、定期的なリテラシー教育がセットで必要です。
A. 委託契約書にAI利用に関する条項を追加することを推奨します。最低限、「委託業務において個人情報・機密情報を生成AIに入力することを禁止する」旨を出来るだけ明記してください。ただ、現在のところAIを使わない開発は現実的ではないと思いますので、両者で協議し、弁護士とも相談の上、適当に決める必要があるというのが現実的なところです。既存の契約書を更新するタイミングで順次追加し、新規契約には最初から盛り込む形で対応しましょう。
A. メールと社内チャット(Slack・Teams等)で配布した上で、既読確認をとることが重要です。「送ったはずだが見ていなかった」という言い訳が通らない状態を作ります。新入社員の入社時研修に組み込むことで、継続的に周知できる仕組みになります。年1回の確認・更新を社内カレンダーに入れておくことも効果的です。
まとめ ─ 会社がAIを「管理下に置く」ための3つの行動

AI活用の波は止められません。「禁止」ではなく「管理」が、これからの経営者に求められる判断です。
【やること①】生成AI利用の現状把握
社員が何のAIツールを、どのプランで使っているかを確認する。
【やること②】法人プランへの統一
個人プランでの業務利用を禁止し、会社支給のTeamsアカウントに移行する。
【やること③】ガイドライン1枚の作成と配布
「入力してよい情報」「してはいけない情報」を明文化し、全社員に周知する。
この3つを実行するだけで、今日起きているリスクの大半は防ぐことができます。
この記事はアスリエの伴走PMによる実務経験をもとに執筆しています。
社内AIガイドラインの策定・AI開発のセキュリティ設計についてはお気軽にご相談ください。
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アスリエに依頼できること
- AI活用を前提とした新規システムの設計・開発
- 既存システムへのAI機能追加・業務自動化の組み込み
- AI活用システムの保守・運用サポート など

