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システム開発プロジェクトの半分は失敗?要求定義・要件定義の秘訣は?開発プロジェクト初心者でも成功する3つのポイント

システム開発において、要件定義は成功の鍵を握る重要なステップです。

しかし、システム開発を依頼する発注者としては、その重要性や進め方に不安を感じることも多いでしょう。

本記事では、要求定義・要件定義の必要性から具体的なコツ、外部委託のメリットデメリットまで、発注初心者の方でも理解しやすいように解説します。

これを読めば、あなたも自信を持ってシステム開発プロジェクトに取り組めるはずです。

システム開発プロジェクトの半分は失敗している?

冒頭からショッキングなデータ情報をご紹介します。少し前のデータですが、日経コンピュータの調査で、システム開発プロジェクトの半分は失敗という調査結果があります。

プロジェクトの失敗率
2003年⇒73.3%
2008年⇒68.9%
2018年⇒47.2%
出典:日経ビジネス『プロジェクト失敗の理由、15年前から変わらず』より算出記載

2024年現在はどうかというと、有力そうな集計データこそ見当たらないものの、肌間としてはそこまで大きくは変わっていないのではないかと感じています。

そして、先のデータに補足する形で、開発プロジェクトの失敗原因として挙げられているのが、主に以下の内容です。

・要件定義が不十分
・追加の開発作業が発生
・システムの仕様変更が相次いだ

要するに、要件定義が十分できていないという事であり、

システム開発に失敗するプロジェクトの多くは要件定義に問題があるということです。

システム開発における要件定義の重要性

システム開発に失敗するプロジェクトの多くは、要件定義に問題があります。
この重要な点を踏まえ、要件定義の重要性と失敗を避けるポイントについて詳しくお伝えします。

システム開発における要件定義の位置づけ

要件定義は、システム開発プロジェクトの最初の段階で行われる重要なプロセスです。

具体的には、システム開発者が依頼者の要望をヒアリングしたうえで必要な機能や要件をまとめることを言います。

この段階で、システムの目的、機能、性能などを明確にし、関係者間で合意を形成します。

例えば、ECサイトを開発する場合、「商品検索機能」「ユーザー登録機能」「決済機能」などの要件を具体的に定義します。

要件定義を怠ると起こりうる問題点

要件定義が不十分だと、以下のような問題が発生する可能性があります。

・開発途中で当初は想定していなかった仕様変更など頻発し、コストと時間が増大する
・ようやく完成したシステムが、なんと利用者のニーズを満たさないことが判明する
・開発過程の後半で、セキュリティやパフォーマンスの問題が発覚する

例えば、ある企業の在庫管理システム開発で要件定義が不十分だったため、完成後に重要な機能が欠落していることが判明し、大幅な改修が必要になったケースもあります。

さて、ここからは開発プロジェクト初心者でも成功する3つのポイントを具体的にお伝えします。

【ポイント1】要件定義の前に、要求定義をしっかり行う

要件定義と要求定義の違い

要求定義は、ユーザー側が作成する「システムへの要望事項」です。例えば、「顧客管理システムで、顧客の購買履歴を簡単に確認したい」といった要望を整理します。

一方、要件定義は、要求定義を基に、具体的な機能や性能を定義する作業です。先の例では、「顧客IDで検索し、過去1年間の購買履歴を表示する機能を実装する」といった具体的な要件に落とし込みます。

発注者にとっては「システム開発で実現したいこと」を明確にする要求定義こそがもっとも肝要です。

要求を明確化する!と、大きな声で、声高らかに宣言し、紙に書き、自分の視界に入るところに常に貼っておきましょう。

要求を明確化する!5W2Hで整理する

要求定義においては、5W2Hのフレームワークで整理してください。5W2Hとは、When・Where・Who・What・Why・How・How much(How many)の7つの要素から目標達成や、課題解決をおこなうフレームワークのことです。これをやるだけでプロジェクトの全体像が明らかになります。

非常に簡単で、かつ適当ですが、ある商品販売ページの作成を行う際に、5W2Hで考えてみます。

随分乱暴ですみません。でもまあパッと分かりやすく見やすいですね。

要件定義のヒントになりそうな情報がスッキリとまとめられます。

システム開発では、「何を作るか」という点ばかりが注目されがですが、システム開発は手段(How)であって目的ではありません。システム開発の背景には、解決したい課題(What)があって、その課題を解決することで成し遂げたいこと(Why)があるはずです。

具体的に書き出してみて、出来る限り明確化・明文化することが重要です。

【ポイント2】ステークホルダーと密なコミュニケーションをとりましょう!

効果的なコミュニケーションをとりましょう

要求定義・要件定義では、経営層、エンドユーザー、開発者など、様々なステークホルダーとのコミュニケーションが重要です。以下のポイントを押さえましょう。

・オープンエンドな質問を活用し、潜在的なニーズを引き出す
・定期的なミーティングを設定し、進捗を共有する
・専門用語を避け、分かりやすい言葉で説明する

(例)社内チャットツール開発の場合、「どのような機能が欲しいですか?」ではなく、「日々のコミュニケーションで困っていることは何ですか?」と質問することで、より具体的なニーズを引き出せます。

とにかくホウレンソウを徹底しながら、密なコミュニケーションが大切です。

要件を可視化するツールの活用

要件を視覚的に表現することで、関係者の理解を深めることができます。プロジェクトを可視化して齟齬がないようにしてください。
以下のツールが有効です。

・ユースケース図:システムの利用シナリオを図示
・ワイヤーフレーム:UIのレイアウトを簡易的に表現
・プロトタイプ:簡易的な動作モデルを作成

(例)モバイルアプリ開発では、Figmaなどのツールを使ってプロトタイプを作成し、ユーザー体験を可視化することが効果的です。

【ポイント3】完璧を求めすぎない!要件定義が不十分でもOK

アジャイル開発における柔軟な要件定義

システム開発ツールの進化、システム開発技術の向上により、最近はアジャイルでの開発手法が採用されることもしばしばあります。従来のウォーターフォール型での開発だと、要件定義に抜け漏れなどあった際に開発出戻りが発生するケースもあるためです。

アジャイル開発の良いところは、要件を’完全’に固めずに開発を進めることができます。
以下に特徴を記載します。

・短いサイクルで開発と評価を繰り返すことができる
・要件の変更に柔軟に対応できる
・ユーザーフィードバックを素早く反映できる

(例)Scrumフレームワークを採用し、2週間ごとにスプリントを行うことで、要件の見直しと調整を頻繁に行えます。

要件の優先順位付けと段階的な実装

全ての要件を一度に実装するのではなく、優先順位をつけて段階的に実装することが重要です。

・MoSCoW法を使用して要件を分類(Must, Should, Could, Won’t)
・最小限の機能を持つMVP(Minimum Viable Product)を先に開発
・ユーザーフィードバックを基に機能を追加・改善

(例)顧客管理システムの開発では、まず基本的な顧客情報登録機能(Must)を実装し、その後に高度な分析機能(Could)を追加するといった方法が効果的です

(例)SNSアプリの開発では、まず基本的な投稿機能とユーザー登録機能を実装し、その後にメッセージング機能や検索機能を追加するといった方法が効果的です。

ここまでお伝えした3つのポイントをおさえてください。これだけでプロジェクトの成功率はグッと上がることをお約束します。

要件定義は外部業者への委託も考えましょう

外部委託のメリットとデメリット

要求定義はプロジェクト担当者で行うと思いますが、要件定義においては実際の開発者(エンジニア、プログラマー)が行います。従いまして、社内に開発者がいる場合は良いのですが、社内に開発者がいない場合には外部委託することになることが多いと思います。

■外部委託(外注)のメリット■

・専門知識と経験を活用できる
・客観的な視点で要件を分析できる
・社内リソースを他の業務に集中できる

■外部委託(外注)のデメリット■

・コストがかかる
・社内の詳細な業務知識の伝達に時間がかかる
・コミュニケーションの齟齬が生じる可能性がある

要件定義を外部委託した場合にかかる一般的な費用感

要件定義の費用は、プロジェクトの規模や複雑さによって大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

・小規模プロジェクト ー 50万円〜200万円
・中規模プロジェクト ー 200万円〜500万円
・大規模プロジェクト ー 500万円〜1000万円以上

ただし、これらは概算であり、具体的な費用は個別に見積もりを取る必要があります。

成功する要件定義のためのチェックリスト

要件定義プロセスの各段階で確認すべきポイント

以下の点に注意して確認をしてください。適時振り返りながら進行すると間違いありません。

・プロジェクトの目的と目標が明確か
・すべてのステークホルダーの意見が反映されているか
・機能要件と非機能要件が明確に区別されているか
・要件の優先順位付けがされているか
・要件が測定可能で検証可能な形で記述されているか

要件定義書の品質を高めるためのレビュー方法

・複数の視点でレビューを行う(開発者、ユーザー、管理者など)
・レビュー会議を開催し、疑問点や改善点を議論する
・要件のトレーサビリティを確認し、漏れや矛盾がないか確認する 等

週1~2回など、プロジェクトの規模や、開発進度、ステークホルダー等を鑑みながら、小まめにレビューは行いましょう。

要件定義はもちろん、システム開発は㈱アスリエにご相談ください

要件定義は、システム開発の成功を左右する重要なプロセスです。本記事で紹介した方法を参考に、効果的な要件定義を行ってください。

しかし、要求定義や要件定義に不安を感じる方や、より専門的なサポートが必要な方もいらっしゃるでしょう。そんな方々のために、弊社では要件定義のコンサルティングサービスを提供しています。

経験豊富な専門家が、あなたのプロジェクトに最適な要件定義をサポートいたします。

要件定義サポートの他に、以下の開発サービスを提供しております。

■WEB開発

・コーポレートサイトリニューアル
・レスポンシブWebデザイン
・E-コマースサイト構築

■カスタムソフトウェア

・業務効率化システム
・顧客管理システム(CRM)
・在庫管理システム など

■モバイルアプリ開発

・iOS/Androidアプリ開発
・クロスプラットフォーム開発(React Native, Flutter、Pythonなど)

■クラウドソリューション

・Kintoneなどの、各種Saasツール
・クラウド移行支援
・AWS/Azure等の導入・運用サポート

■補助金サポート

開発費用に充当できるような補助金を取得サポートいたします

システム開発でお悩みの方、新しいデジタルソリューションをお考えの方は、ぜひアスリエにご相談ください。
あなたのビジネスの新たな章を、共に描いていきましょう。