FileMakerでアプリ開発!メリット・デメリットと開発相場を解説
blog
FileMakerは、ビジネスアプリケーションの開発に適したツールです。
しかし、その利用にはメリットとデメリットがあります。
この記事では、 FileMakerで開発できるアプリケーションの例を紹介し、そのメリットとデメリット、リスク、そして開発コストについて詳しく解説します。
新規でシステム開発会社を探している方、特に FileMakerでシステムを構築したいと考えている方にとって、有益な情報を提供できることを目指しています。
目次
FileMakerとは何か?
FileMakerは、Appleの子会社であるClaris International Inc.が提供するデータベース管理ソフトウェアです。
簡単に言えば、FileMakerを使うと、データを整理して管理するためのアプリケーションを誰でも簡単に作ることができます。
1985年にリリースされた歴史のあるソフトウェアですが、令和の現代においてもバージョンアップが続けられており、日本国内では20万以上の組織で利用され、その人気の高さが伺えます。
FileMakerは数あるシステムの中でも「操作が簡単」という特徴があり、初心者にも最適なデータベース管理システムとして定評があります。
また、SNSなどのツールと連携したり、AI(人工知能)、機械学習などのプログラムと連携させたり、開発言語である JavaScriptを用いて FileMaker と連携させるなど、FileMaker と開発言語を用いることで、プロの開発者もより早くアプリを完成させることができます。
FileMakerで作ることのできること(アプリケーション)
FileMakerは、顧客管理(CRM)、在庫管理、プロジェクト管理など、さまざまなビジネス向けアプリケーションの開発に適しています。
これらのアプリケーションは、ビジネスプロセスを効率化し、生産性を向上させるための重要なツールとなります。
また、FileMakerの強力なカスタマイズ機能により、企業の特定のニーズに合わせたアプリケーションを開発することが可能です。
これにより、企業は自社のビジネスモデルやワークフローに合わせて導入ができます。
特に以下の内容がFileMakerの得意とするところです。
データの整理
お客様情報、商品の在庫、プロジェクトの進行状況など、さまざまな情報を一つの場所にまとめて管理できます。
自動化
繰り返し行う作業を自動化するスクリプトを作成することで、作業効率を大幅に向上させることができます。
レポート作成
データを集計して見やすいレポートを作成することができます。これにより、ビジネスの状況を迅速に把握できます。
データの共有
複数のユーザーでデータを共有し、共同作業をスムーズに進めることができます。
FileMakerのメリット・デメリット
メリットの詳細
FileMakerの主なメリットは、その使いやすさと柔軟性です。
ユーザーフレンドリーなインターフェースと強力なカスタマイズ機能により、ビジネスのニーズに応じたアプリケーションを迅速に開発することが可能です。
また、FileMakerはクロスプラットフォーム対応であり、WindowsとMacの両方で動作します。
FileMakerは、簡単なデータベースや小さなシステムはもちろん、しっかりとした中~大規模な業務システムを作る場合にも対応ができます。
デメリットの詳細
一方、FileMakerのデメリットとしては、大規模なデータベースや高度なプログラミング機能を必要とする場合、他のより専門的なデータベース管理システムに比べて機能が限定的であるという点が挙げられます。
また、FileMakerは比較的簡単に使用できる一方で、カスタマイズや高度な機能をフルに活用するには、FileMaker特有のスクリプト言語を理解する必要があります。
これには時間とリソースが必要となります。
FileMakerで開発できるアプリケーション事例
それでは、FileMakerで開発が可能な、具体的なアプリケーション事例をご紹介します。
顧客管理システム(CRM)
【事例】中小企業の営業部門で使用される顧客管理システム。顧客情報、取引履歴、連絡先情報などを一元管理し、営業活動を効率化。
・顧客データベースの作成
・顧客ごとの取引履歴管理
・連絡先管理およびメール送信機能
・レポートや分析ツールの統合
在庫管理システム
【事例】小売店や倉庫で使用される在庫管理システム。商品の入出庫を管理し、在庫状況をリアルタイムで把握。
・商品データベースの作成
・在庫の入出庫管理
・バーコードスキャン機能
・在庫レベルのアラート通知
・発注管理と仕入先情報管理
プロジェクト管理システム
【事例】建設会社やIT企業で使用されるプロジェクト管理システム。プロジェクトの進行状況を管理し、タスクの割り当てや進捗確認が可能。
・プロジェクトごとのタスク管理
・進捗状況の可視化(ガントチャートなど)
・メンバーの役割と責任の割り当て
・リソース管理とタイムシート機能
・レポート作成と共有機能
学生情報管理システム
【事例】学校や教育機関で使用される学生情報管理システム。学生の成績、出席状況、連絡先情報を管理。
・学生データベースの作成
・成績管理とレポート生成
・出席状況の記録と分析
・保護者との連絡機能
・コース登録と履修管理
カスタマーサポートシステム
【事例】サポートデスクやコールセンターで使用されるカスタマーサポートシステム。顧客からの問い合わせを管理し、迅速な対応を支援。
・チケット管理システム
・顧客問い合わせ履歴の保存
・エスカレーション管理
・ナレッジベースの統合
・レポートとパフォーマンス分析
予約管理システム
【事例】レストランや診療所で使用される予約管理システム。予約の受付と管理を行い、スケジュールを効率化。
・予約受付フォームの作成
・予約カレンダーとスケジュール管理
・自動リマインダー通知
・顧客情報と予約履歴の保存
・リソースの割り当て管理
イベント管理システム
【事例】イベント企画会社や会議運営会社で使用されるイベント管理システム。イベントの企画、参加者管理、スケジュール管理をサポート。
・イベント情報とスケジュールの管理
・参加者の登録と管理
・チケット販売と支払い管理
・会場予約とリソース管理
・イベント後のフィードバック収集
上記のようなシステムがFileMakerで構築できます。
既存システムの改修や、再構築をFileMakerで行う場合
最近では既存システムの改修や、再構築のニーズもあると思いますので、どんな場合に対応可能かもお伝えします。
随分前のシステムのリニューアル
【事例】古いプラットフォームで動作しているシステムを最新のFileMakerと動作環境に移行。
【シナリオ】Visual BasicやAccessなどの古いシステムから、最新のFileMakerプラットフォームに移行し、モバイル対応やクラウド連携を強化。
データベース統合
【事例】複数の分散したデータベースを一つにまとめ、統一した管理システムを構築。
【シナリオ】部署ごとに分散しているExcelファイルや小規模なデータベースを統合し、一元管理するためのシステムをFileMakerで構築。
カスタム業務アプリケーションの改修
【事例】業務の変化に伴い、既存のカスタムアプリケーションを改修。
【シナリオ】既存のFileMakerアプリケーションに新機能を追加したり、UIを改善して、ユーザーエクスペリエンスを向上。
セキュリティ強化
【事例】旧システムのセキュリティ脆弱性を解消し、データ保護を強化。
【シナリオ】FileMakerの高度なセキュリティ機能(SSL暗号化、ユーザー認証、アクセス権管理)を活用して、既存システムのセキュリティを強化。
上記に付随し、対応可能なデータべース例もお伝えします。
対応可能なデータベース例
Microsoft Access
FileMakerはAccessのデータベースをインポートし、類似のフォームやレポート機能を提供することで、スムーズな移行をサポート。
Excel
ExcelシートのデータをFileMakerに取り込み、複数シートを連携させてデータベース化。より強力な検索、フィルタリング、レポート機能を提供。
SQL系データベース(MySQL, SQL Server, PostgreSQLなど)
FileMakerはODBC/JDBCを使用してSQLデータベースと連携し、リアルタイムデータアクセスを実現。既存のSQLデータベースを活用しながら、FileMakerのユーザーフレンドリーなインターフェースを提供。
Oracle
Oracleデータベースとの連携も可能で、企業のミッションクリティカルなデータをFileMakerでフロントエンドとして利用することで、業務効率を向上。
旧式のレガシーデータベース
DBase、Paradox、FoxProなどの古いデータベースも、データ変換ツールを使用してFileMakerにインポート可能。
その他のカスタムデータベース
任意のフォーマットのデータ(CSV、XML、JSONなど)をFileMakerにインポートし、統合管理システムを構築。
幅広く対応可能です。
FileMakerの利用料と、アプリ開発する場合のコスト
サービスを利用するためには、大きく2つの費用が必要です。
「FileMakerのライセンス代金」と「データベースサーバーとして使用するFileMaker Serverの専用サーバー代金」です。
FileMakerライセンス費用
Claris FileMakerのライセンス形態は様々ありますので、以下を参照ください。
FileMakerを提供しているするClaris社はアメリカ企業ですが、公式サイト上では日本語入力が可能なので、システムの入手自体に苦労はしないでしょう。
【参考】シングルライセンス購入サイト:https://store.claris.com/individuals
ボリュームライセンス見積サイト:https://sales.claris.co.jp/v19/index.php
FileMakerを動かすサーバー費用
FileMakerServerを動かすサーバ環境が必要になります。
こちらは「クラウド型」で利用するか、「オンプレミス型」で利用するかで費用は異なります。
どちらもそれぞれメリットデメリットはありますが、最近はサーバーの管理がいらない、導入が手軽などといった理由から、クラウドサーバーを選択されるケースが増えています。
FileMakerによる開発を委託する場合の費用相場
FileMakerでのシステム開発は、一般的なシステム開発に比べて扱いやすいのが特徴です。
とはいえ、現実的にはFileMakerでの開発は外注することが多いといえます。
開発コストの詳細
FileMakerでアプリを開発するコストは、開発するアプリの複雑さ、必要なカスタマイズの程度、開発にかかる時間などによります。
開発を外注した場合、その費用はピンからキリまでさまざまです。
1案件で数十万円程度のものもあれば、数100万円を超えるものもあります。
ただし、フルスクラッチでシステムを開発するよりは費用を抑えられる傾向にあります。
開発導入後の維持・運用コストの詳細
アプリの維持・運用コストには、上述したライセンス料とサーバ料がかかりますが、それ以外にも、アップデートやバックアップのコスト、トレーニングコストなどが含まれます。
見逃されがちですが、大切な部分です。
これらのコストも、アプリの規模と使用するリソースによります。
ちなみに、当社で導入後の運用サポートサービスも対応しております。
もちろん任意契約ですが、不は具合やトラブルシューティング等を基本対応としていますので、トラブルや後で発生した不具合等を発見した際は、出来る限り料金内で改修作業を行います。
そのほかご希望に合わせて月々一定時間の機能追加・軽微修正やオプションとして対応しております。
FileMakerで外注開発を行う上で注意すべきこと
FileMakerを利用したシステム開発では、初期段階の「設計・要件定義」が非常に重要です。
この段階での正確な計画とコミュニケーションが、プロジェクト全体の成功へと繋がります。
開発会社選びも重要なポイントとなるため、過去の実績や考え方等を確認し、信頼できるパートナーを見つけましょう。
また、意外と注目いただきたいのは、その他の初期費用です。
・セットアップやネットワーク構築設定
・ドキュメント作成
・データ移行・統合
・トレーニング・サポート 等
FileMakerの開発を検討する際は、これらの初期費用も予算の中に組み込むことが重要です。
福岡/九州でのFileMaker開発は㈱アスリエにご相談ください。
今回はFileMakerについてご紹介をいたしました。
FileMakerは業務向けのアプリケーション構築にはかなり汎用性高く対応できます。
使用用途、使用環境、志向、優先順位によって選択ポイントが変わってきますので、じっくり考えて開発・運用をご検討ください。
当社では、FileMakerを使用したシステムの開発・改修・改善・メンテナンス等を承っております。システムの長期的な安定性や効率性を考えながら、お客様がメリットを最も享受できるシステムをご提案いたします。
基本的には環境構築を当社側でも作らせていただける場合にはリモートで対応します。
セキュリティ面で問題があるという場合には、現地・現場(オンサイト)での対応も承っております。
当社は「地域の明日を創造してゆく事業共創パートナー」をモットーに展開する、福岡市のソフトウェア受託開発会社です。
BtoC、BtoBともに各アプリケーション開発/運用、中小企業様のDX化のサポートなどを行っております。
詳しく聞いてみたいという方は、お気軽にお問合せくださいませ。