菅内閣の発足、東京都のGotoキャンペーンの開始、
コロナの陽性者数は減少傾向・・・など、多くのニュースが飛び交いますが、
何よりも地方経済をどうするかという議論がますます盛んになって欲しいと願うばかりです。
コロナ後の経済を語る上で重要なことの一つとして、
いかに「地方経済を守るか、発展させるか」というところの観点は大切です。
こと当社が携わる、九州地域については、計数的な情報は他に譲るとして、
国内外の来訪者が少なくなっている中、危機的な状況であることは疑うところはないかと思います。
反面、今だからこそ見直しが必要なこともありますので、
今回は「海外(東南アジア)に向けて商売を行う際に今だから取り組んでおきたいこと」
についてお伝えしてみたいと思います。
1、マイクロツーリズムの観点を改善のチャンスに活かしましょう
インバウンド需要の消滅、輸出入のストップなど、
新型コロナウイルスが与えたダメージはかつてなく大きいものですが、
事業者としては変化に対応していかなければなりません。
当社の取引先についても、コロナショックは引き続き続いているものの、
現在を準備期間と捉え、商品やサービスをブラッシュアップしている事業者のお話も聞きますし、
実際に当社も携わらせていただいております。
星野リゾートの星野社長が提唱された「マイクロツーリズム」が観光業界に浸透しました。
これは「経済圏を狭く捉えましょう」、「魅力を再発見しましょう」という観点がありますが、
この考えは観光業だけでなく、販路開拓においても通ずると思います。
2、海外向け商品開発や販路開拓は「国や地域を絞って、市場調査」
物を販売する上で考える必要があるのは「顧客への提供価値」だということは周知の通りです。
この「価値」ですが、販売側と顧客側でズレていることがしばしば起こります。
こと海外向け商品開発や、販路開拓においても同じです。
例えば海外向け商品の場合、顧客の価値としては、
・質
・価格
・雰囲気
・日本での評価
・購入後の姿
などが該当するかと思いますが、これにプラスして、
国や地域によって歴史や文化、宗教などを考慮すると、
顧客の価値は大きく変わってくる場合があります。
例えば、極端な例で「とんこつラーメンはタイではウケるがインドネシアではウケない」とか。
したがって、画一的な販売手法が通用しないケースが多々発生します。
こうしたことから、当社では、
・まずは狙う国と地域を絞りましょう ⇒商圏を絞る
・そして、次に調査をしてみましょう ⇒価値(魅力)を確認する
ということを推奨しております。
まさにマイクロツーリズムの考え方だなあと。
当たり前の話ですがこういったことなどを知る必要があるということですね。
コロナ禍の今だからこそ調査に時間とコストを掛けてもよろしいのかなと思います。
また、現在は海外出張はなかなか行けないという事業者が多いですので、
逆に今がチャンスという捉え方も出来ます。
ちなみに売り込みになってしまいますが、当社ではASEAN海外出張代行サービスも展開しています。
お気軽にご相談くださいませ。
3、インバウンドの訪日客集客でも提供する価値を見直す
2020年度について、インバウンドに期待している事業者はいないと思います。
ですので、2021年度、2022年度に向けて動かれている事業者の方におかれては、
今最も取り組むべき課題は、
観光資源のブラッシュアップ
だと考えています。
観点としては、前述した海外向け商品販売と同じ考え方です。
観光資源と一言で言っても、観点はたくさん存在します。
例えば、
・温泉街を形成する街並み
・夜景
・あまり知られていないが人気スポット
・絶景 などなど
この観光資源についても「顧客への提供価値」の視点が欠かせないのですが、
この「価値」については提供側と顧客側でズレていることが多いです。
(事例を後述しておきますね。)
したがいまして、ここでも大切なことは価値の見直しや再構築を行う必要があり、
分からないということでしたら、調査をしてみるということですね。
4、まとめ ~顧客目線で価値の構築をしましょう~
ここまでお伝えしてきたように、
「範囲を絞る」や「価値の再定義・再発見」をする良い機会だと考えています。
その際は顧客目線で考える事が重要ではないかと思います。
当社では東南アジア地域をメインとして各種サポートを行っております。
いずれにせよ海外との繋がりは復活していきますので、
今できることから始められることをおすすめします。
具体的には、新商品の開発、市場調査、デザインの見直し等、
事業者の業種や置かれている状況などにより異なりますが、
助成金や補助金などもうまく活用しながら、
実施されるとよろしいのではないかと思います。
(もちろん当社ではそのあたりのサポートも可能です。)
さて、当社では東南アジア各国での、
・海外での市場調査
・展示会出展
・営業代行
・訪日PR など
サポートさせていただいております。お気軽にお尋ねくださいませ。
【小言】長崎・熊本の潜伏キリシタンをフックに、
フィリピンから訪日客を集客できるか?という話
例えば、長崎・熊本で世界遺産登録された「潜伏キリシタン関連遺産」ですが、
東南アジアで言うとフィリピンを中心とし、
複数の自治体はこの数年間少なからず訪日客向けPRを行っていると思います。
しかしながら、キリスト教地域のフィリピン向けにPRして効果的な集客観光資源になるかというと、
決してそうではないと考えています。
理由は、フィリピン人は聖地エルサレムの巡礼ツアーが人気ですし、かつ日本に行くよりも安いからです。
●イスラエル周遊 7日間の旅 約1400ドル
https://noahtours.com/en/israel_tours_from/Israel_Tours_From_The_Philippines
●九州周遊 5日間の旅 約1500ドル
https://www.raksotravel.com/destination/git.aspx?c=102364
上のルートには潜伏キリシタンは入っていませんが、
仮に入っていたとして、それがフックとなり、フィリピン人の方々は観光地に行きたいと思うでしょうか?
私は難しいのかなと思います。
実際の数値については控えますが、詳しくは各自治体の観光統計数値をご確認くださいませ。
(あくまでもフックとした場合で、複合的な提案の場合は別です。)
この、「提供側と顧客側の価値のミスマッチ」については、やっぱり無くす努力をしていきたいですよね。