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食品分野でも東アジア地域包括経済連携(RCEP)によりASEAN販路拡大へ

新型コロナウイルスの影響で日本国内の経済の停滞や雇用状況の悪化など、暗いニュースが目につきます。
また、これから日本を始め北半球は冬のシーズンを迎え、ますます大変な事態になることも予想されますので、
多くの事業者様が更なる変革を迫られている状況だと思います。
 

そのような中、いよいよ「東アジア地域包括経済連携(RCEP)」が各国の合意に向けて動いています。
 

当社では最近、農林水産物や食料加工品などの海外販売を支援させていただく機会がありますので、
今回はこのRCEPに触れつつ、「今から始めるASEANへの食料品の輸出」について考えてみたいと思います。
 1、東アジア地域包括経済連携(RCEP)とは?

RCEPはインドを除く、ASEAN10か国+5か国(日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド)の計15か国による、
経済連携協定(EPA)です。この協定について、年内に合意を目指して行くような方向です。
 

この協定が締結されれば、例えば国を跨いだ広域的なサプライチェーンの実現・拡大や、
通関コストの大幅な低減などが現実のものとなるのかなと思います。
コメや畜産物などの農産物はもちろん、嗜好品などは特に高いですからね。
 

自由経済という観点では非常にメリットが大きいわけです。
 

今後ますます伸びて行くASEAN地域を中心に、欧米を除いての広域EPAです。
日本としては、既に多くのEPAを結んでいますので、関税を考慮しつつ、
輸出入に関して複数の協定から最適な物を選ぶ形をとることができます。
 

また、中国やASEAN地域などの巨大な海外市場により密にアクセスできる可能性もありますので、
より海外を意識しつつ、販売・生産活動を行っていく形になります。
 

こういった流れもありつつ、国内市場の新型コロナウイルスでの冷え込みや、
国内市場のそもそもの縮小を見据えて、今後海外向けの食品輸出はますます加速して行くと思われます。
 
 

2、日本の食品輸出に追い風?日本政府も食品の輸出拡大を後押し

また、日本政府の方で、食品輸出に対しては大きな後押しもあるようです。
 

これは、読売新聞が独自取材で取り上げていますが、
日本政府が農林水産物・食品の輸出拡大に向けて年内に取りまとめる対策の骨格のようで、
海外での需要の高い品目を「有望品目」として集中的に支援するそうです。
和牛やリンゴ、ブリなどが想定されるそうです。
 

また、政府は現在約1兆円の輸出額を、25年までに輸出額2兆円、30年には輸出額5兆円を目標にするようです。
参考:https://www.yomiuri.co.jp/economy/20201021-OYT1T50092/
 

この大きな方針によって、より各生産者やメーカーは、海外販路開拓・販路拡大によりシフトして行く流れになり、
それを支援する補助金などの施策を国としても打ち出してくるものと考えています。
 
 

3、今から始めるASEANへの海外販路開拓・販路拡大

コロナショックもあり、海外に目を向けられる事業者様はますます多くなっていますし、
今から少しづつASEANへの進出に向けて動き出すことをお勧めします。
 

理由としては、上述している日本政府の支援策も今後増えてくることが予想されますので、
そういった支援策をより効果的に使い、最大限の成果を上げるためです。
 

さて、海外進出については中国や台湾など、既に取り組んでいる事業者様も多いと思いますが、
ことASEAN地域については、まだこれからというところも少なくありません。
 

・いったいどの国に進出したらいいのか?
・宗教や食文化はどうなのか?
・いくらくらいのもので、どういったものが売れそうか?
・海外バイヤーに話を聞いてみたい  等
 

こういったお悩みを伺うことがありますが、結論としては、
解決するためには、まずは何かしら動いてみるしかありません。
 

でも、具体的な取り組みや予算など気になりますよね。
 
 

4、ASEANへの進出に向けた具体的な取り組みは?

Hisilicon Balong

では、ここではASEANへの進出に向けた取り組みどをお伝えします。
 

まず予算については、小規模事業者の場合、直接予算(人件費は別)で、
50~100万円ほどが多いのではないかと思います。

 

もちろん、何をどこまでやるか、達成目標(売上〇〇円)などにより大きく変わると
思いますので、異なる場合もあります。
 

海外向け取り組みの中でも、比較的お手軽に効果が出やすいと考えられる取り組みを、
以下に記載いたします。
 

①「食料品展示会への出展」した後で、後追い営業活動
 

特にBtoBでの販売を希望される事業者様でしたら、
これが最も効果が出やすいと考えます。
 

理由としては、多くの事業者様は展示会に出展しますが、
的確な情報を伝えないことも多く、さらにその後の後追い営業活動もあまり行いません。
 
ちなみに、展示会では必ず、プライスリストなどは用意し、
その場でバイヤーが決められるように用意してください。
 

名刺交換したバイヤーは必ず追いかけましょう。
大概は決まらないケースが多いですが、それでも10件に1件ほどは決まるようなイメージがあります。
 
 

②JETROさんや、中小機構さんなど、公的な機関にしっかり相談
 

JETROさんは各国に拠点がありますので、現地の最新情報を知ることができます。
また、中小機構さんでは具体的な進出計画(事業計画)のアドバイスや作成支援をしてくれたりと、
公的な機関だからこそ対応してもらえることがあります。
 

さらに、具体的な商談先も与信などもしっかりした形で紹介してもらえることもあります。
せっかくですので、補助金や助成金などの活用も視野にいれ、ぜひ相談をされてください。
 
 

③越境ECを活用
 

例えば日本にいながら取り組めますので、越境ECに取り組む事業者様も多いと思います。
 

自社ECサイトを構築して・・・などは事業ハードルがグッと上がりますので、
まずはモールへの出店などが初めの方の取り組みになるかと思います。
 

その際、商品発送や決済スキームなどはあまり問題にならないかと思いますが、
そもそも「どの国にどんなサイトがあり、どういった傾向があるか?」や、
「顧客とのコミュニケーションの取り方」などについては事前に確認を行いましょう。
 
 

5、まとめ

今回は東アジア地域包括経済連携(RCEP)に触れながら、
「ASEANへの日本の食料品の輸出について」お伝えしてみました。
 
少しでも皆さまのプロモーション活動のお役に立てれば幸いです。
 

海外進出と聞くと、構える事業者様もいらっしゃいますが、
基本的には普段のやり取りの延長です。
 

ただ、大手メーカーとは違いなかなか成果が見えづらい海外進出に、
予算を掛けられない中小の事業者様も多いと思います。
 

当社では、ご予算に応じて支援させていただきます。
 

実は私共はもともとタイへの水産物(九州産)の輸出をスタートしたのが海外への取り組みのスタートでした。
その際も、予算がない中(もっというと赤字でした)でしたが、何回もトライして輸出を成功させました。
 

今考えると、もっとお金を掛けずに結果を出せたのになあと思うことがしばしばあります。
また、現在はASEAN海外パートナーとの連携により、現地での販路開拓・拡大支援や、人材採用支援などに至っています。
限られたご予算でも結果を出せるように出来ればと考えています。
 
中小事業者様の「ASEANへのきっかけ作り」を一緒に取り組ませていただきますので、
 

お気軽にお問い合わせください。